何故かって…?





泪なんてあの日に枯れてしまった─…





あの日に置き去りにしてきてしまったから。





だから,もう俺は泪を出せない…
毎年あの日以外は─…





俺と梢ちゃんの間を秋風は変わることなく吹き続ける…





隣では空を見続けながら泣きそうな瞳を浮かべる梢ちゃん





俺の視線の前には散らばった無数の小石の数…






そして,俺の掌の中に1つだけある小石。





俺はその小石をぎゅっと強く握り締めた






壊れてしまいそうになるぐらい強く…






俺の憎しみと悔しさを込めて─……