「そんなに自分を責めないで……
全部,悪いのは私なんだから─…
私は生まれてきちゃいけなかったんだよ。」






視線を空から変えないままで,梢ちゃんは俺にそう言った






“生まれてきちゃいけない”






俺もそう思ったよ…
俺だって生まれてきちゃいけなかったんだ─…






俺に関わった人は皆不幸になってしまう。





だったら俺がいなくなれば皆幸せだろう…?





空を見上げた梢ちゃんの瞳はまた少し潤っていた。






俺だって泣きたい…






今すぐ,泣いて誰かに縋り付きたい…
でも,俺にはそれが出来ない。





だって…俺は泪を出すことが出来ないんだ…