「なんで呼んだんだよ?」




俺は冷水を一口含み穏やかな口調で言った




「………」




でも蜜希からは何の返事も来ない…
さっきからずっと黙ったまま下を向いて携帯をいじるだけ…




今日は始業式だったからか,他の中学生や高校生が俺等の席の周りでは賑やかに笑い声を上げている




隣でもまたその隣でも笑い声が絶えないのに,俺等のテーブルだけが怖いほど静かになっていた…





「亮…?」
「お待たせしました」




ようやく蜜希が喋り出したと思ったら,さっきの店員が俺等のテーブルに向かって来た





タイミング悪……




「レモンティーになります」





そんな心の声も届く訳なく,レモンティーはテーブルに置かれていく





それだけ置いてまた帰っていった店員を少し睨みながら俺はレモンティーを手にとった





蜜希はまた黙って携帯をいじりだしてしまった