「別に…でも何で?」




俺はその小柄な体を見つめながら言った



するとその小さな体を上に戻し,不安そうな表情をして言った




「勇クンが自分で言ったの…」




勇クン…?




あの子の後ろにいた子の事か…




俺はとりあえずさっきと同じベンチに座り,彼女の方を向いた



その子は俺の視線に答えるようにちょこんと俺の隣に座り,下を向いた




「名前は…?」




「栞(シオリ)…」




栞…




その名前は凄くあの子に合っていると思った…




ふわふわと宙を優雅に舞う,まるで蝶みたいに綺麗で繊細な君に……




「あなたは…?」




栞は俺の方を見ずに俯いたまま俺に尋ねてきた




「亮…」




すると栞は急に俺の方を向いて微笑んでこう言った



「綺麗な名前だね」