倉間先生は俺の友達の蜜希のお兄さんで,蜜希とは全然性格が逆の人




倉間先生は凄く誠実で,かっこよくて,おまけに頭もいい




ただ,大人しくて蜜希の持っている特別な才能は持っていないかもしれない…




でも,そんな真面目な倉間先生が俺に冗談なんて言わないだろう…





俺は…俺は─…




「ごめん。困らした?」




倉間先生は俺の顔を覗き込んで言った





「………」




そんな倉間先生の問いかけに何も答えられない…




そんな自分が情けなかった…




そうか違うか…
たったそれだけの事なのに,何も言えないんだ




でも,俺の中で確実に答えは決まってた




ただそれを言い出せる勇気がなくて…
怖くて,苦しくて…




俺はお前に言ってない事がありすぎる─…