驚いたように立った蜜希は俺の目を見てちょっと退いていた



「なぁ,いい加減言えって」



俺は掴んでいる蜜希の手を握り除々に力を入れて言った



俺だってそれぐらい知っとかないと気分悪い…
勝手に好きになられて,待ち伏せされて,意味わかんねぇー…




『ゃ……山岡…だ・よ。』



半分ぐらいまで力を入れたときにようやく密希が吐いた。



「山岡…?」



その瞬間に一気に力を抜き,蜜希の手を放した



『亮,まじ握力強すぎっっ。まじ痛いし…』




蜜希は俺の握っていた方の手をフラフラと揺らしながら言った




「なぁ蜜希,山岡って誰…?」




蜜希の方を見て言うと,蜜希はまた凄く驚いたような顔をしていた




『はぁ?お前,あの山岡知らねぇーのっっ!?』



知るかよそんな奴…
大体,五大美女の名前までわざわざ覚えてねぇーし。



「だから,誰なんだよそいつ…?」



俺はポケットの中に手を突っ込み,携帯を取り出しながら言った