俺の足は一歩一歩,梢ちゃんに近づいていった




そんな俺をずっと見つめる梢ちゃんと太陽




でも,不思議な事にここでは太陽がそこまで苦の存在にはならなかった…




いつもなら嫌で嫌で仕方ないのに…




ここでは,こんな俺にも光をくれるの…?




俺は言われた通り梢ちゃんの隣に並んだ



「しゃがんで?そして,湖を覗くの…」




今にも消えてしまいそうな微かな声なのに,ここでは凄くしっかりと響いた




虫の音も動物の鳴き声も何も聞こえない…




静かで,ただただキラキラしていた




俺は言われた通りしゃがんでこの綺麗な湖に顔を写した




「ねぇ,亮クン…?」




その梢ちゃんの声に俺は目をやった




「ん?何…?」




梢ちゃんはずっと湖の湖面を真顔で見ながら,ぽろっと呟いた



「運命って…,あるのかな……?」