一瞬にして世界が変わったみたいな感覚…




俺はあの闇の世界から抜け出せたの…?




思わずそう考えてしまえる程そこは異世界だった




「びっくりした?」




隣で急に俺に訪ねる声
勿論,梢ちゃんしかいない。





何も言わずに声がした方に顔を向けた





その俺の顔を見てまた梢ちゃんは微笑んだ
あの偽りの笑顔で…




梢ちゃんはさっき引っ張った俺の右手を掴んでいた手をするっと放し湖の近くまで言った




その歩き方がこの場所だとまた一段と強調されて,とても可愛く見える…





「来て?」




梢ちゃんは湖の近くまで行くと止まり,俺の方を向いて手招きをした




可愛くてちっちゃな手が俺に向けられた




俺はまだ何も言えず,梢ちゃんの言葉に従うことしか出来なかった