次の日、捺美のことを頭から追いやって仕事に集中しようとするも、なかなかはかどらない。
捺美がいた頃は、仕事も絶好調でなんでもできる気がしていたのに。
頭にもやがかかったように重く、身体もダルい。幸せから一転して地獄に突き落とされるとはこのことだ。
思うように仕事が進まず、デスクチェアにもたれかかって天井をぼーっと見つめていると、高城が誰かを連れて社長室へと入ってきた。
「社長、精神科医の柳田英一先生です。先生は本もたくさん出版していてメディア出演もある第一線で活躍する著名な方です」
高城から紹介された精神科医の先生は、穏やかな笑みを浮かべて一礼した。
病院から直接来たのか、白衣を着ていていかにも先生という風貌だった。
歳は四十~五十代だろうか、痩せてはいるが適度な筋肉質体型で健康的に見える。
大人しく優しそうな雰囲気だが、眼鏡の奥の目は一瞬で人を見抜くような鋭さと賢さを備えていた。
捺美がいた頃は、仕事も絶好調でなんでもできる気がしていたのに。
頭にもやがかかったように重く、身体もダルい。幸せから一転して地獄に突き落とされるとはこのことだ。
思うように仕事が進まず、デスクチェアにもたれかかって天井をぼーっと見つめていると、高城が誰かを連れて社長室へと入ってきた。
「社長、精神科医の柳田英一先生です。先生は本もたくさん出版していてメディア出演もある第一線で活躍する著名な方です」
高城から紹介された精神科医の先生は、穏やかな笑みを浮かべて一礼した。
病院から直接来たのか、白衣を着ていていかにも先生という風貌だった。
歳は四十~五十代だろうか、痩せてはいるが適度な筋肉質体型で健康的に見える。
大人しく優しそうな雰囲気だが、眼鏡の奥の目は一瞬で人を見抜くような鋭さと賢さを備えていた。