「私は姫の友達です。だから好きな人が桐哉くんであろうとなかろうと姫を応援しています」
近づいた理由は下心からだが、共に過ごし確かに柚姫は特別な存在になっていた。
お姫様から、葉緩の友人であり特別な人に変わっていた。
「だけど姫の相手が桐哉くんだったらなお嬉しい。それだけです」
柚姫の両頬を包み、葉緩はぎこちなく微笑んだ。
「なんか誤解させちゃったならすみません。応援しすぎて挙動不審なだけと思ってほしいなぁ……なんて」
「葉緩ちゃん!」
「わわっ!?」
感極まって柚姫が葉緩にしがみつくように抱きついてくる。
「あたしが一番好きなのは葉緩ちゃんだよ! 大大大好き!」
ーーズキューン!!
(はぅあ! 姫がかわいすぎる!!)
「私も姫が大好きです。 これからも仲良くしてください」
「……うん!」
擦り寄るように抱きついてくる柚姫に葉緩はにやけだす。
胸がきゅんきゅんして、すっかり射抜かれていた。
(姫……かわいいですぅ!)
「アタシはどうすればいいの……」
イチャイチャしだした二人に、クレアはあきれてため息をつく。
もうどうにでもなれと脱力していた。