さすがに買いすぎちゃったかな...
左手のビニール袋にはお摘まみやケーキの菓子類。
右手のビニールには缶ビールや缶酎ハイ10本+ウコンドリンク1本
いやいや、店員さん...
重さを均一に入れてくれないと
右手が重くてビニールがちぎれそうなんだけど...
まあ、私の住む築32年のアパートは
歩いて徒歩3分の距離だ。
このすでに伸びきってるビニールの持ち手も
部屋まではもってくれるはずだ。
私はビニール袋に負担をかけないように
ゆっくりと足を踏み出した。
ホワイトクリスマスイブ&誕生日...
私は天を仰ぎながら次々と絶え間なく
降り注ぐ粉雪を眺めながら
トボトボと歩いていく。
そして、目の前から寄り添うカップルが
私の横を楽しそうに通りすぎていき
思わず立ち止まった。
さみしい...
私の脳裏に誕生日には似つかわしくない
4文字の言葉が浮かび上がり
咄嗟に頭をブルブルと振るった。
よし!今日は朝まで飲みあかすぞ!!
私は下がっていたテンションを無理やり
上げて歩き出した。
その時、
ドンっ!!
横から大きな物体がぶつかってきて
よろけた私は思い切り地面に尻餅をついた。
そして、その拍子にビニールの中の缶たちが
一斉にコロコロと散らばった。
いった~~
私は打ったお尻を擦りながら
目の前に止まったままの
黒い物体を見上げた。
こちらを見下ろしていたのは
スーツに身を包んだ180近くあるかの
長身の男性だった。
高そうなスーツに紺色のコートを羽織った彼は黒いサラサラの髪の毛に薄い琥珀色の瞳が
アンバランスにもミステリアスで思わず見とれてしまっていた。
カッコいい...
トクトクっと心臓が祝福のベルのように
体に響き渡る。
もしかして、これは運命の出会い...
私が淡い妄想にふけっていると
こちらを見下ろしている青年は
私の全身を下から上まで視線を移動させた。
そして、転がっている大量のお酒に
チラッと目をやって再び視線を私に戻した。
そして、一言
「うわっ。おばさん、終わってるね...
じゃ、今度からは気をつけてよね」
辛辣な言葉を呟いて尻餅をついたままの
私を残し背を向けて歩き出した。
おばさん、、、?
終わってるね────
終わってるね───終わってるね───?
先ほど男の声が私の脳にまるで
やまびこのように反響していく。
おばさん...って私のことよね...?
私はうっすらと涙でボヤけていく瞳で
その男の後ろ姿を見つめる。
なぜ、私はこの見ず知らずの失礼極まりない男のために涙を流しているのだろう。
私はズーっと流れだしてきた鼻水を吸い込む。
私の弟はまだ結婚してないし、
姪や甥はいない
まだおばさんになった覚えはない...
私は指先に触れた缶をガシッと掴むと
こちらを振り返ることなく去っていく男に
向かって思いっきり投げた。
さすが学生時代、バレーボール部に所属していたことだけある。
缶はきれいに弧を描いて、
男性の頭にカンっと命中した。
左手のビニール袋にはお摘まみやケーキの菓子類。
右手のビニールには缶ビールや缶酎ハイ10本+ウコンドリンク1本
いやいや、店員さん...
重さを均一に入れてくれないと
右手が重くてビニールがちぎれそうなんだけど...
まあ、私の住む築32年のアパートは
歩いて徒歩3分の距離だ。
このすでに伸びきってるビニールの持ち手も
部屋まではもってくれるはずだ。
私はビニール袋に負担をかけないように
ゆっくりと足を踏み出した。
ホワイトクリスマスイブ&誕生日...
私は天を仰ぎながら次々と絶え間なく
降り注ぐ粉雪を眺めながら
トボトボと歩いていく。
そして、目の前から寄り添うカップルが
私の横を楽しそうに通りすぎていき
思わず立ち止まった。
さみしい...
私の脳裏に誕生日には似つかわしくない
4文字の言葉が浮かび上がり
咄嗟に頭をブルブルと振るった。
よし!今日は朝まで飲みあかすぞ!!
私は下がっていたテンションを無理やり
上げて歩き出した。
その時、
ドンっ!!
横から大きな物体がぶつかってきて
よろけた私は思い切り地面に尻餅をついた。
そして、その拍子にビニールの中の缶たちが
一斉にコロコロと散らばった。
いった~~
私は打ったお尻を擦りながら
目の前に止まったままの
黒い物体を見上げた。
こちらを見下ろしていたのは
スーツに身を包んだ180近くあるかの
長身の男性だった。
高そうなスーツに紺色のコートを羽織った彼は黒いサラサラの髪の毛に薄い琥珀色の瞳が
アンバランスにもミステリアスで思わず見とれてしまっていた。
カッコいい...
トクトクっと心臓が祝福のベルのように
体に響き渡る。
もしかして、これは運命の出会い...
私が淡い妄想にふけっていると
こちらを見下ろしている青年は
私の全身を下から上まで視線を移動させた。
そして、転がっている大量のお酒に
チラッと目をやって再び視線を私に戻した。
そして、一言
「うわっ。おばさん、終わってるね...
じゃ、今度からは気をつけてよね」
辛辣な言葉を呟いて尻餅をついたままの
私を残し背を向けて歩き出した。
おばさん、、、?
終わってるね────
終わってるね───終わってるね───?
先ほど男の声が私の脳にまるで
やまびこのように反響していく。
おばさん...って私のことよね...?
私はうっすらと涙でボヤけていく瞳で
その男の後ろ姿を見つめる。
なぜ、私はこの見ず知らずの失礼極まりない男のために涙を流しているのだろう。
私はズーっと流れだしてきた鼻水を吸い込む。
私の弟はまだ結婚してないし、
姪や甥はいない
まだおばさんになった覚えはない...
私は指先に触れた缶をガシッと掴むと
こちらを振り返ることなく去っていく男に
向かって思いっきり投げた。
さすが学生時代、バレーボール部に所属していたことだけある。
缶はきれいに弧を描いて、
男性の頭にカンっと命中した。