「千紗。」



名前を呼ばれて目が合う。



「あのさ…」

「う」

「う?」



顔を、また覗き込まれて



「うわぁああああ!!!」



私は大きな声で叫んだ。



「おい!千紗!?」



そして佑斗の手を振り払い、走り出すという。



(やばいやばいやばい、なにこれ…!!!)



佑斗をその場に放置して家まで猛ダッシュ。



そう。逃げたのだ。


いや、逃げたというか。
身体が勝手にというか……



(だって、なんか、なんかーーー…!!)