「……で。どうかした?」



机の上にカバンを置いて、その近くにいる千紗のそばにしゃがむ。



「私……」

「うん」



珍しく、弱々しい。


本当に何かあったんじゃないかと思って
少し心配になった。

が。



「髪伸ばそうかな……」

「……………ん?」

「髪。伸ばそうかな〜…って」

「え、それだけ?」

「え、なに?」

「いや……」



…………なんだそれ。



珍しくしょげてるから心配になったというのに

まさかの悩みが『髪の毛を伸ばすかどうか』



「どうでもよすぎる…」

「なっ…!ひど!!真剣に悩んでるのに!」

「伸ばしたいなら伸ばせばいーじゃん」



なんでそう思ったのか知らないけど。