花火大会の会場に着いたら、場所取り組と屋台巡り組に分かれた。


「じゃ、翠夏と住江くん行ってらっしゃい」
「場所取りは任せてね〜」


あからさますぎるくらい、二人きりにされた……。

ちょっと早すぎるんじゃない!?
いやいや、そんなこと言ってる場合じゃないわ!!


「ほら、とっとと見に行かない?」


あーーーーなんであたしはそんな言い方しかできないわけーーーー。


「…俺が嫌なら白凪か春日井と代わるけど」

「なんでよ!!別に嫌じゃないけど!?」

「そうなの?」

「そもそもあそこはカップルなんだから、逆に邪魔になるでしょ!気遣いなさいよ!」


本当は気を遣われてんのあたしだけどね!!


「…それもそうか」


……よし、とりあえず二人きりにはなれたわ。

え〜〜〜〜〜、でもやっぱり緊張する……!!

てかついついチラ見しちゃうんだけど……、やっぱり浴衣の緋色、カッコよすぎる……っ!!
うなじがヤバすぎてマジでガン見しちゃうんですけど……。


「……何?なんでジロジロ見るの?」

「べっ別に!?浴衣だとマシになるんだなぁって!」


そしてやっぱり、出てくる言葉がかわいくない。


「……あっそ」