「翠夏、わかった?」

「……え?」

「テキトーなタイミングで2組ずつ分かれるからね」


――えっ、2組ずつってまさか……、


「あたしが緋色と!?」

「他に誰がいるのよ!」


今の緋色と二人きりになるの!?
無理なんですけど!!


「いやーー無理!!二人も一緒にいて!?」

「何言ってんの!そもそも今日は翠夏と住江くんが仲良くなるためのものでしょ?」


――うっ、そうでした……。

二人きりじゃ無理だから、協力してもらったんでした……。


「大丈夫だよ翠夏ちゃん!今日の翠夏ちゃん、すっごくかわいいもん!」

「咲玖ちゃん…」

「頑張ってね!」


そうよ、あたしはかわいい。
特に今日は美少女レベルが大幅に上昇してる。


「あたしはかわいい!!いける!!」

「ファイト!!」

「なんか呪文みたいね…」


トイレで髪とメイクを直し、香水をワンプッシュ。
お出かけの時に使ってる、フレッシュさの中にフローラルな甘さもある女子力を向上させてくれる香りだ。

――よし、頑張ろう……!!