執事の朝は早い。 朝日が昇る前に起床し、夜が完全に更けきった頃に眠りにつく。 必要とあらば、数日眠りにつかなくても仕事を全うする。 一日の大半は燕尾服で過ごすので、もはや槇野のプライベートな服を見かけることは、 邸に住む者の間で、都市伝説化している。 もし見ることが出来れば、一日ラッキーに過ごせるとか、 反対に不運が重なるとか。