ようやく母から依里を取り戻し、帰宅することが出来た。

家の中に入るなり、靴も脱がず依里に後ろから抱き着く。

「はぁぁ、やっと補給できる。

依里不足でどうにかなるかと思った」

「ふふっ、大袈裟ですよ」

「俺にとっては一大事なの」

これは冗談でもなんでもなく、もう少しで母相手に本気で怒るところだった。

(そうなったら父さんが黙ってないだろうけど)