震える口を、ゆっくりと動かし、必死で言葉を発した。



「なんで、なんでリカなんですか!?
あんなに、あんなに優しいのに。
誰よりも、優しいのにっ!
なんであの子なのっ!?なんで...」



溢れる涙は、透明で、綺麗で、でも、憎かった。

その日から私は、毎晩のように泣いた。

学校に行くときも、いつも、俯いていた。

そんなある日、イツくんとミツくんが家に来た。

2人は、私を見た瞬間、ただ、息を飲んだ。

そして、静かに喋り出した。



「莉梨逢、莉梨樺(りりか)が病気になって、苦しいのは分かる。
けど、ずっとそのままじゃ...」

「分かってるよ、分かってる!
でも、それでも...悔しいよ。悔しい」