「もしかしてだけど、水谷くんって……名高先生…?」
核心をついたつもりだった。
ついに言ってやった!!って感じだった。
怯えるような目をしていた水谷くんの目がわずかに見開かれ、それからゆるゆると気が抜けたように緩む。
その顔は呆れの色を含んでいて、予想外の反応に少しだけ困惑してしまった。
先程まで満ち溢れていた自信がしゅるしゅると萎んでいく。
「違うよ」
……違ったらしい。
とんでもない早とちりだった。
やはりこんな身近に作者がいるわけない。夢とアニメの見過ぎだ。
二次元とリアルを切り離せなくなったら、もう救いようがない。
それはなんとしてでも阻止しなければ。