「私は言ったからね! 次は羽花ちゃんの番だよ!」

「……そーだよね」


 気まずそうに目を逸らした羽花ちゃん。

 うーんとしばらく渋っていたけれど、観念したようにスマホを取り出した。



「この通話アプリで知り合った人。仲良くなったから一応、SNSでもつながってる」

「……なんてこと!!」

「反応が独特すぎてコメントに困るわ」


 まさか。
 いわゆる"ネッ友"というやつ?


「羽花ちゃん、絶対にハダカの写真とか送っちゃダメだよ」

「送らないよそんなの!」

「顔写真もだめだよ? 中身は女子高生を装うただのおじさんかもしれないんだから」

「わかってる」


 少し前に同じようなことを羽花ちゃんから言われた気がするけれど。

 形勢逆転、ってところかな。


「仲良くなってくるとだんだんガードも緩くなるからね。惑わされちゃだめだよ、それがああいう人たちの手法なんだから」

「約束するよ。危ないことはしない」

「うん。そうして、私の大事な羽花ちゃん」


 呆れるように肩をすくめながらも、私のハグを受け入れてくれる羽花ちゃん。

 SNSで繋がっている人がいると聞かされた時、一瞬、羽花ちゃんがなんだか遠い場所に行っちゃうような気がして。

 少しだけ、こわかった。