個性的な名前だから、間違うはずがない。


 探せばこの世界のどこかにいるかもしれないけれど、この書き方からして実名ではなさそうだ。


 ヒーローとヒロイン、どっちも合致。


 しかもキャラクター設定まで事細かに書いてある。



 思考回路は一気に停止、それからすぐにフル稼働。



「キャラ設定細か……しかもこんな情報出されてない…よね?」



 となると、だ。


 私のなかで、二つの仮説が浮上した。



 まずひとつ目。



「先生のファンによる二次創作……」



 そしてもうひとつ目。



「この学校に、先生がいる……?」



 ぶつぶつとつぶやく私は、はたから見たら要注意人物だ。


 それでも、こんな漫画のような紙展開ならぬ神展開に遭遇するオタクは、果たしてこの世に何人いるのだろうか。


 私自身、気づいていないだけで相当な強運の持ち主なのかもしれない。