気がつくと走行中の救急車に乗っていた。
待って、救急車?
「あの、すみません、
降ろしてください」
「意識戻りました。」
救急隊の人が声を上げた
「もう大丈夫なんで、救急車から今すぐおろしてください。」
「いやそれができなくて...」
「おろして」
身体についてるモニター類を全て外してストレッチャーから体をおこした
「病院に向かってます、まだ横になっててください。」
「だから嫌です。おろしてください。」
路肩に救急車が止まって助手席に乗ってた救急隊がわたしのそばに来た。
「じゃあ先生に電話して行かなくていいか聞いてみよう、橘先生待ってるからさ」
なんで橘先生を知ってるの?
もしかして向かってる病院って...
「橘総合医療センターに向かってる?」
「はい、もちろん。」
「じゃあもっとおろしてください。」
「電話して自分で交渉して。
ここでおろすと俺がブチギレられる」
そういって電話をかけ始めた。
「橘先生に会いたくないし声も聞きたくない」
「じゃあこのまま運ぶしかない」
なんでこうなるの
「どうする?とりあえず意識戻ったって連絡はいれないとだから電話するけど。
本人に病院に行かないでいいか聞いてみれば。いいって言ったらすぐここでおろしてあげるよ」