入学式

クラス分けを見ると、A組に俺の名前があった。

後ろには、川澄すみれの文字も……。

思わず心の中でガッツポーズをした。

教室に入ると案の定ジロジロ見られた。

でも、今は……

目の前にいる大きなメガネつけている女が気になった。


「…………」

「…………」


お互い無言のまま。

でも、コイツ……どこか見覚えがあった。

それこそ、川澄すみれに似ている気がする。

口を開きかけた俺に、川澄は何も言わずに避けて先に座った。

俺も確認して座ろうとしたが、女に囲まれた。

大きな声を出し、ひとまず女を追い払った。

うざい。

席を確認する際も視線を感じていた。

……仕方ないか……。

移動して、川澄の前の席に座った。