気まずい……。

咄嗟に体が動いたとはいえ、今なんと言ったらいいのか分からなかった。


「……大丈夫か……?」


とりあえずそう聞く。


「はい。……あの……助けてくださって、ありがとうございます……」


改めて声が澄んでいるように感じた。


「いや、お礼を言われるような事じゃないからな。誰であっても助けるだろ」

「っ……」


当たり前のことだと言うと女は俯いた。


「どうかしたか?」


何かあったのか?

そう思ったが、今更ながら自分が女と話せていることに驚いた。

それに、コイツに興味がわいた。

女をじっと見つめていたら、突然顔を上げ嬉しそうに言った。


「……助けてくれる人はあまりいなかったので、すごく嬉しいです!」