と、そこにおばあちゃんが乗ってきて、キョロキョロと空いている席を探すけど、なかったようなので手すりにつかまっていた。

私は譲るため席をたった。


「あのおばあちゃん、この席どうぞ座ってください」

「あら、ありがとね。でもあなたは大丈夫なの?」

「はい、あと少しで着きますから」

「なら、ありがたく座らしてもらうわね」

「はい」


その後は、おばあちゃんが座っている席の近くの手すりにつかまって、おばあちゃんと少しの間お話をしていた。


「あなたは勇気があって、とても優しいわね。」

「そんなことはないですよ」

「いいえ、あなたはためらわずに私に声をかけた。そういうことは簡単にできることではないのよ。」

「そ、そうですか?」

「ええ。……あなたは、天宮高校の生徒さん?」

「はい、そうです。一年生です。」