「そうだな。でも、すみれはすごく可愛いのに無自覚だ。心配だ」

「そうねぇ。こればっかりはどうしようもないわね」

「あぁ、可愛いと言っているのに、本人はお世辞だとか自分の娘だから可愛く見えるとか言って、全く聞く耳を持たないからな」

「でも、そのためにメガネと三つ編みの地味な格好をさせているんだから……きっと大丈夫よね」

「……あぁ」


二人とも早口で話していて、内容がよく聞き取れなかった。

でも、解決したみたいな感じがしたので、良かったのかな?


「すみれ、絶対にメガネを外すんじゃないぞ。いいな?」

「う、うん……」


いきなりお父さんがそう言ったので、頷いてしまった。