「びっくりしたね」

「そ、そうだね」
凛ちゃんの声に我に返った。

やっぱりあの男の子は見覚えがあるような気がして……少し考えていたから。


「でも、あの人カッコいいのは確かだからね。人気が出て、モテるのも頷けるよ。」


その言葉を聞いてふと思った。


「もしかして、凛ちゃんもあの男の子のこと気になるの?」

「そういうわけじゃないよ。っていうか、なんかこっちの方来てない?」

「えっ……」


振り返ってみると、確かにさっきの男の子はこっちに歩いてきていた。

見ていると彼と視線が合ってしまった。

驚いてすぐに前を向いて視線を逸らしたけど……感じ悪かったかな……。

横を向いて凛ちゃんと話していると、彼が私の前の席に座った。