でも私は、この天宮高校を受験した。


凛ちゃんには、トラウマの事はまだ話していない。

信頼していないとかではなくて、こんな不純な理由を聞いて、凛ちゃんが私から離れていくのではないかと思ってしまったから……。

なんて説明しよう……。

不思議そうにしている凛ちゃんになんて言おうかと悩んだ。

大切な友達に嘘はつきたくない……。

困っていると大きな声が聞こえた……。


「あの俺、女嫌いだから。こうやって群がるのやめてくれない」


その声の主はさっきのカッコいい男の子だった。

女の子たちは驚いている。

私もその一人だった。凛ちゃんも……。


「あ、そうなんだ。ごめんねー」


女の子たちは少し気まずそうに男の子の元から離れた。