「お帰りなさい、おふたりとも」
「はぁ!? あ、あんた、どうしてここに!? その服……」

 にっこりと微笑んだのは、まさかのセシリーだったのである。彼女は箒を壁に立てかけると、見事なカーテシーでふたりを迎えた。

「今日から、ここでお世話になることになりました」
「嘘だろ! おい、なんなんだ、こいつ! キース、なんとかしろ!」
(そういう話は聞いていませんが……)

 騒ぐリュアンを余所に、キースはセシリーと視線を交わし合う。彼女がリュアンを指さしぺろりと舌を出したのを視界に収めたので、先日の意趣返しで少々からかってやるつもりなのだろうなとキースはすぐに判断した。

(おっと、これはこれは。全く予想外でしたが……面白そうだし、乗ってあげますか)