……そして数分後。

「本当に、ごめんなさ~い!」

 職員用の控え室に招かれたセシリーの目の前には、平謝りするロージーの姿があった。

「あたしとしたことが、まさかお客さんにシーツ交換全部やらしちゃうなんて。くうっ、末代までの恥よ……!」
「大袈裟ですよ。気にしてませんから」

 お茶と菓子を用意してくれた彼女は、さめざめと顔を両手で覆った。その口調は初回会った時とは違い、ずいぶん砕けた感じだ。

「いや~、騎士団も意外と懐事情が厳しくてさぁ、あたしがこうして手すきの時間にできることはやるようにしてるんだ。掃除、洗濯、まあ食事の用意なんかも。仕事は山ほどあるんだけど、最近人が辞めちゃったばかりでね。セシリーさんだっけ、忙しかったとはいえ、本当ごめん」
「いえいえ、体を動かすのは嫌いじゃないから、結構楽しかったです」

 セシリーが笑顔になると、ロージーもカラッと破顔して見せた。