「まぁ……いっか。なんか忙しそうだし」

 そっとため息を吐くと、セシリーは綺麗なシーツが乗せられたカートを押し、順番に騎士たちの部屋を訪問していく。幸い建物内に人気は無く、皆訓練や任務で皆出払っている様子だ。

「よっこいせと。有望な取引先になるかも知れないんだし……ここはいっちょ、恩を売っておくとしましょうか」

 そう言って邪魔な袖をまくると、鼻歌交じりでセシリーはベッドの上に丁寧にシーツを広げ、せっせせっせと伸ばして整えるのに夢中になった。