「あぐっ……」
「止めてぇっ!」

 しかしエイラはそれでも石から手を離さなかった。レオリンはそのまま強引に剣をエイラの腕に振りかざし……セシリーの叫びが、その両方に向けられた。だが、無情にも……。

 ――ピキ……ピシッ……。

 破砕音が、広間の隅々へ届くほど明瞭に響いてゆく。誰もが顔を覆う。

「ああっ……!」

 そして……ついに。

 ――キンッ。

 言葉を失うセシリーたちの前で……清らかで儚い音と共に太陽の石が砕け散った。それはその形を光の粒へと変えて、天井の採光部から空へと消えてゆく。