団長の言葉に唱和し、左右に別れていた団員が揃って綺麗に片手を振り上げた。憧れの騎士を改めて目にし……ラケルは胸に誓う。

(いつか……僕もきっと団長のように。多くの人たちの期待を背負えるような人になるんだ!)



 ――やや間があって、彼は俯けていた瞳を上げ、少し照れた様子で笑う。

「ごめんね、後半から僕の話ばっかりになっちゃった。つまり、リルルはちょっと特別な存在らしいんだ……けどセシリーにはとっても懐いてるから、今まで通り仲良くしてあげて欲しいって、それだけ」

 当時のことを思い出したか、含みのない笑みを向けたラケルに応じて、セシリーも得意気に自分の胸を叩いた。

「言われなくなって私、これからもっともっとリルルと遊ぶんだから! だからラケルもたまには付き合ってよね」