しかしエステルはそれを聞いて目からうろこが落ちる思いだった。

「私が手伝ったから……」

 野菜畑以外にも、最近になって違和感に気づいたものがひとつある。

 それはエステルの作った料理だ。

 先日、また卵をもらう日を迎えたエステルは、すぐに使える鶏肉が用意できなかったことから親子丼を諦め、ひとつを酢と混ぜてマヨネーズに、もうひとつをスクランブルエッグにしてたまごサンドイッチを作った。

 それを食べたレスターが突然怪力を発揮し、家のドアを壊してしまったのだ。

 そしてドアを直すために製材所へ向かった際、ディルクにも負けない量の木材を軽々と、しかも片手で運んだのである。