フェルナンドと握手する。久しぶりの再会だ。

「やぁ久しぶりだな。君の活躍はよく聞いているよ」


 近況報告をして茶を飲む。甘いものが好きであることを知っているフェルナンドが用意してくれた菓子は、ルーナと会った貴族街の店のものだった。

「この菓子はとても評判が良いのだろう?」

「ご存じでしたか! 人気がある店で、材料は私のところから仕入れてくれているものがあるので贔屓にしています。建物も私の会社で担当しました」

 そうだったのか。それならオーナーとも知り合いだよな。疑問がある。ルーナがなぜあのニ店舗にいたか……まさかな。


「最近は庶民街にも人気の菓子屋があるね。そこも君が?」

 なんとなくだけどそう思った。作りは違うが上品で落ち着く内装などこだわりが感じられた。

「えぇ。オーナーが同じですからね」

 と言ってなんとなく話ははぐらかされた気がした。これ以上しつこく聞くのは良くないだろう。

 フェルナンドも今度のパーティーに招待されているようで婚約者と行くのだそうだ。



 もしルーナが貴族ならパーティーで会えるかも知れない。