「王宮のパーティーだ。出席してもらうよ。契約⑥だからね! ドレスも宝石も私が用意する」

「いえ、パーティーのドレスはありますので遠慮します。袖を通していないものがたくさんありますもの」


 結婚をする時に、これから夫婦としてパーティーに参加することが多くなるのだから持って行きなさい。と母に言われて作ったものがたくさんある。

 それにアグネスの装いを見ていると、ジョゼフはお色気系が好みなんだと思う。アグネスは妖艶で似合っているから良いけれど、私には似合わない。
 
 ジョゼフの好みのドレスを着てパーティーに参加だなんて鳥肌モノ。罰ゲームだ。


 話が逸れてしまったけれど、契約⑥王家主催のパーティー以外出席はしない。


 行く必要があるお茶会は参加している。夜会に誘われても私はまだ十六歳と言う年齢と結婚式の誓いのキスで、なぜか恥ずかしがり屋で男の人は苦手と言う事になっているようで、あまり強要されないのだ。

 それと最近ジョゼフが愛人を邸に住まわせていると噂になっているようで、私は夫人達から心配をされているみたいで手紙が届くし実家には何故か求婚の釣り書きが届くらしいのだ(スージー談)

 両親も兄も一言も言わないものだから全く知らなかった……


「……無理に贈って嫌われることはしないでおこう。パーティーの参加を許してくれて良かった」

 嫌われる事をしないって言う割に、毎日の訪問は何でしょう? 私の邪魔がルーティンに入っているのかしら。


「そう言う契約ですもの。断れませんわね」

 諦めたようにそう言った。ちょっとイヤミも含めた感じ。