「食事中だと言って出直すように伝えてくれ」

 お兄様……相手は格上の家なのに、出直すようにって……対応が塩ね!



 執事がジョゼフに対応をしたようで戻ってきた。


「サロンでお待ちになるとの事です」


「そうか。それなら待たせておけば良い。ルーナゆっくりと食べなさい。侯爵殿は待つと言っているから気にしなくても良い」

「えぇ、そうですわね」

 朝の食事は大事だもの。


 みんな普通ーね。急いでいる様子もない。侯爵様を待たせているのにねぇ。しかも言いたくないけど夫……となった人。


 待たせる事一時間半……お茶を飲みゆっくりとした時を過ごした。


「そうだ、侯爵殿を待たせていたのだった。ルーナご主人を待たせてはいけないな。行くぞ」

 さっきと言っている事が違うんだけど?



「お待たせして申し訳ない。侯爵殿とお会いするのは何年振りでしょうか!」

 さわやかな胡散臭い顔満開でジョゼフに会うお兄様。自分が待たせていたくせに。悪気も無さそうー。


「アルベーヌ殿、いつお帰りに? 式には間に合わなかったとお聞きしたのだが」

「えぇ、申し訳ありませんでした。妹の晴れ姿を見られなかったのは残念だが、またチャンスはあるかも……っと失礼」

 お兄様! なんて言う事を……しかも笑っているし。やっぱり何か知っているの?


「……アルベーヌ殿それはどう言った意味でしょうか? それよりルーナ、新婚なのに実家に帰るとはどう言う事だ? せめて泊まるのなら一言言って出掛けるものだろう? 帰りが遅いから心配したんだぞ」

 詰め寄るようにジョゼフが言った。