あとは庶民向けの店のチェックにも行く事にした。貴族街とは離れているので、馬車に乗り庶民街へ。

 内装は可愛らしく水色にした。貴族の店はシックなイメージでホワイトとブラウンに。高級感がある。


「うん。こっちは水色で正解ね! 明るくていい感じ!」

「ルーナ、来ていたのか?」


 声をかけて来たのはフェルナンドだった。すごく久しぶりに見た様な気がした。


「えぇ、今来たの。貴族街の店は繁盛していてこちらも楽しみだわ」

 にこにこと内装を見て回るルーナ。

「旦那は良いのか? おまえ……新婚だろ」

 フェルナンドに言ってなかった! もう結婚したんだから言ってもいいか……


「お互いのプライベートには口出しをしないもの。それに彼女さんも昨日引っ越して来たから仲良くしているんじゃないかしら? 邪魔者は邸にいない方が良いのよ」


 結婚する前は恥ずかしくてこんな事を言えなかったけれど、結婚して昨日、一昨日とジョゼフを見ていたら、泣いていた事が馬鹿馬鹿しく思えた。
 早く一年経って離縁する事が楽しみだ。その時私はこの店のオーナーとして庶民として暮らせたらいいな。



 両親にお金を返して、貴族街の店の権利も渡すつもりだけど、この店はお願いして続けさせてもらいたい。その為には繁盛させて、生活できる様にしなくてはいけない。


「彼女? なんだ! それ!!」