それでも気になり、学園のことを少しだけ調べてみると、ルーナに気がある男の多い事……そう言ったことには興味がないようで、少し安心した。

 公爵家から通学をしてもらい、すでに婚約者として母とも社交を行なっている。結婚式はまだだが、公爵家の嫁であると周りには知られている。


「結婚式を挙げるまで分からないじゃないか。ルーナ嬢が逃げ出す可能性もあるかもしれない。嫉妬深い男は嫌われるぞ」


「彼女はそれくらいで嫌うような器の持ち主ではありませんよ。私は彼女のことを誰よりも愛しています。誰にも負けませんよ」


「はぁ。まさか卿とこんな話をすることになるとは……もっと早く彼女に会いたかったよ」


「会ったとしても無駄です。諦めてください」


 無言の二人……



「エミリオ様? そろそろお時間ですよ。予約の時間が迫っています」


 ルーナが時計を見ながらこちらに向かってきた。宝飾店に予約を入れていた。


「もうそんな時間ですか。殿下それでは失礼しますね。くれぐれも間違いのないように!」


「殿下、気を落とされているのですね。何か私で力になれることがあれば、おっしゃってくださいね」

「優しいね、ルーナ嬢は。ルーナ嬢の事を好きになれば良かったよ」


「まぁ、ご冗談を。殿下にそんな事を言われて喜ばない令嬢はおりませんわね。殿下がその方に気持ちを伝えられなくて残念でしたが、次の恋は応援しています」


「……あぁ、そうだね。友人 としてこれからも頼むよ」

「はい。こちらこそ」

「夫婦喧嘩でもしたら、王宮に来なよ。愚痴くらいは聞いてあげる」


「まぁ、ありがとうございます。心強いですわ」


「ルー行きましょう。殿下それでは私たちは失礼しますね」


 頭を下げて、宝飾店へと向かう。



「……ルー、もしかして殿下の気持ち、」