「そう言う女性が近くに居られたのですね」


 そう言う女性……って


「違います。先程も言いましたが神に誓ってありません」


「そうですか。自然にキスマークをお付けになるなんて、卿は器用な方ですのね」

 卿……これは怒っている


「まさか! 誤解です。お願いですから話を聞いてください」


「手短にお願いします」


「……私は貴女のことを心から愛しています。まさか貴女がいるのに私が不道徳なことをすると思っているのですか?」

 そう思われているのなら、悲しいことだ。


「分かりません。私もエミリオ様のことを愛しています」



 涙目でルーナは言う。浮気疑惑を向けられ必死に誤解を解こうとするエミリオ。

 せっかく今までルーナといい関係を築いてきたのに……私は誓って不道徳なことはしない! ルーナを裏切るような真似はしない! と声を大にして言いたいが、落ち着こう。