あ、期待した顔をしている。エミリオも顔に出るタイプね。

「もう一つ、お話しましたが元夫……が再婚をするようで多産家系の方と縁が結ばれるそうです。そしてその子供が元夫の両親の養子に入ることで後継問題は解決しました。気になっていて……兄から聞かされて安心しました。兄の言葉は私を前向きにしてくれて、そして肩の力が抜けました。エミリオ様……こんな私でも受け入れて貰えますか?」

 パァっーと顔色が変わった。元夫と言うと嫌な顔をしていたのに。

 向かい合わせに座っていたエミリオは立ち上がり私に跪いて手を出してきた。

「ルーナ・ベルモンド嬢、どうか私と婚約をして欲しい。貴女を愛しています」

「エミリオ・フォンターナ様。わたくしも貴方をお慕いしています。不束者ですがどうか……よろしくお願いします」

 エミリオの手を取ったが、エミリオは動かない。

「エミリオ様? どうかなさったのですか?」


「……幸せを噛み締めています。嬉しくて仕方がないのです」

 ふるふると肩が震えていた。

「……お願いがあります」

「なんでも……いくつでもどうぞ!」

「元夫に愛されないと分かっていて離縁する事を念頭に結婚したのですが、そんな結婚生活は辛いので嫌です。なので……愛して、くださいね。裏切られるのはごめんです」

 恥ずかしい……でもエミリオなら……


「勿論です! 元夫? あいつの事はすっかり忘れてもらいますから覚悟をしておいてください! 私は……結婚するのなら愛情のある家庭にしたいと思っていました。今実現しないでいつすると言うのですか。貴女となら辛いことがあっても乗り越えられていける。そんな気がします」

「はい。お願いしますね。期待しています」

 ふぅ。とエミリオは息を整えてようやく立ち上がり私の隣に座ってきた。

「ルーナ嬢……触れても……良いですか?」

「……はい」