「エミリオ様、お待たせしました」
学園の寮に戻りエミリオに手紙を書いて、会って話がしたいと言うと外で食事をすることになった。なので今日は少しだけドレスアップした。そして学園の寮まで迎えに来てくれた。エミリオも正装までは行かないが、ビシッと決まっていた。
「いいえ、今日はお誘いありがとうございます。本日もとても美しいですね」
にこっと笑うその仕草にきゅんとした。久しぶりというほどの日にちは経っていないけど、会いたくて仕方がなかったのだ……
馬車に乗りレストランに連れてきて貰った。庭が見渡せるテラスでの食事のようだ。外なのに暖房がついていて肌寒さは感じられない不思議な空間だった。
食事を終えて場所を移動し庭へと移った。四阿のような空間で落ち着くスペースでお茶とお菓子を準備すると給仕は去っていって二人だけになった。
スージーもリュウさんも離れたところで控えてもらえるように頼んだ。
「素敵なレストランですね」
「出資をしているのですが、実は初めてきました。気配りも素晴らしいですね」
「はい……」
……無言でお茶を飲む。ダメだ言わなきゃ。
「ずっと気になっていたことがあって、それを確かめに行ってきました」
「その顔を見ると解決したようですね」
私……顔に出るのね。気をつけよう。
「はい、一つ目は留学の延長です。問題なく卒業までいても構わないそうです」
「そうですか! それは良かったです」
「はい。好きにしても良いと言われていました。二つ目はお店の事です。兄にお願いしてどうなっているのかと思っていたら……ちゃんとしていました。私のスタイルはそのままでバージョンアップしていました。アレを見ると兄も実業家なんだと思い知らされました。お店は兄にそのままお願いすることになりそうですね」
「! っはい」