ルーナと甘いものを食べるときは至福だ。

「フォンターナ卿こんなところにいたのか、ルーナ嬢はもう踊らないのか？」

　またしても殿下か……


「はい、課題の三人と踊るはクリアしましたので休憩をしています」

　口直しに紅茶を飲んでいた。

「殿下、どうされたのですか？　私達に何か用事でも？」

　なぜルーナの椅子の背もたれに手をかけるんだ！　離れろ！


「フォンターナ卿とルーナ嬢はどう言った関係かと気になってしまって」

　……聞かれたくない話題だ。

「殿下の思っているような関係ではありませんが、親しくさせてもらっていますよ」

　親しくは強調した方が良かったのか？


「エミリオ様は親切でパートナーをかってくださったんですの」


「へぇー親切ねぇ。フォンターナ卿は今までパートナーとして女性を伴う事もなかったのに」

　早くいけ……！　ニヤニヤと嫌な笑い方をしていた。

「ルーナ嬢、お次は私のパートナーを、」

「殿下ぁ～こちらにいたのですか？　みんなお待ちですよ」

　呼びにきた令嬢はルーナを睨むと殿下を連れて行った。全部言う前に殿下を連れ出した令嬢に感謝した。


「殿下は人気があるようですね？」

　さっきから令嬢に囲まれているし、少し離れてもこれだ。


「えぇ。いつも女子生徒に囲まれていますわね。お優しい方ですから皆さんに慕われています」

「ルーナ嬢も慕っているのですか？」

　顔は良いからな……それに王族。女性に対してマメである。


「殿下の事をですか？　そう言う気持ちで見た事はありませんね」

　キッパリさっぱりと気持ちの良い返事だった。なぜか笑ってしまった。

「なぜ笑うのですか？」

「いえ、パートナーを断るのは心苦しそうでしたからね」

「身分の高い方ですからわたくしが断るには勇気が入りますよ」

「私の誘いには乗ってくれましたね？」


　最終的には乗ってくれた。ちょっとは意識してくれていたら良いけれど。