全身にもオイルを塗られてマッサージをされた。皆さんの手際が良すぎてなんだかうとうと……


 目が覚めた頃にはスッキリした顔つきで驚いた。寝ている間にネイルまで……サロン級、いやそれ以上よね。

 髪型をセットすると言われガウンを着て椅子に座る。三人がかりで髪を巻かれ、更に編み込んでいく。とても手際がいい。最後にヘアーアクセサリーを……って


「ごめんなさい。わたくしの手持ちにはなかった物だと思うのですが、これはどちらの?」

 さっきヘアーアクセサリーがどうのと言っていたわね。一体どこから!


「エミリオ様からのプレゼントです。ヘアーアクセサリーがどうしても地味……いえ、おとなしすぎると思いまして、すぐに商人が飛んできました! 間に合ってよかったです」


 ……商人を呼んですぐにくるの? 公爵家……



「……申し訳ないわ、エミリオ様に迷惑を」

「まぁ、お嬢様! 謝罪よりお礼の方が喜ばれるかと思います。それにとってもお似合いです」

 繊細なチェーンが付いているヘアーアクセサリー。初めてエミリオに会った時に付けていたブローチに似ているような気がした。公爵家のお抱えの商人?


「お化粧は軽くにしておきましょう。すでにお肌はツルツルですし生かさないと勿体ないですよね~」

 楽しそうにメイド達は粉をはたいて、ピンクのリップを塗り、アイシャドウを入れる。そしてドレスに着替えて最後はアクセサリー……って


「まさか、これも?」


 私が持っているものと違う……ヘアーアクセサリーと同じような繊細なチェーンが美しいネックレスと耳飾りだった。