「ルーナ様ご心配をおかけして申し訳ございませんでした」
スージーが体を起こそうとしていたからすぐに背中に手を添えて寝かせた。
「フォンターナ公爵家のご厚意に甘えましょう。今日はゆっくりしていてね」
スージーの手を握った。
「申し訳ございません」
すると邸のメイド長が来て
「スージーさんは安静にとの事です。疲れが溜まったのでしょう。スージーさん、お嬢様のお支度は私どもにお任せくださいね。さぁ、お嬢様はご準備を」
促されるまま、スージーに休むようにと言ってメイド長に付いていく。
「まずはドレスを選びましょう。どちらのドレスを着用されますか? 落ち着いた色が多いようですね」
目立ちたくないからなんだけど、仕立ては良いものばかり。デュポン夫人ももっと明るい色を勧めてくれたのだけど、私の髪色が目立つ色だからドレスは大人しめのものを作った。
「この紺色のドレスはお嬢様の美しさをより際立てそうですわね。髪の毛はハーフアップにして纏めて、……ちょっと失礼します」
ヘアアクセサリーがと小さな声で言って若いメイドが出ていった。
どこへ行ったのかしら……するとすぐに戻ってくる若いメイド。この紺色のドレスに決まったみたいね。このドレスは肩が出るデザインでデコルテが強調される。女らしさはデコルテから! とデュポン夫人に言われて選んだ物だった。
「さぁお嬢様湯浴みを」
湯船に浸かって隅々まで洗われて、髪に香油を塗られて櫛を通すとあら、不思議! ツヤッツヤのピッカピカ……