「その後全身パックをして体のこりをほぐして、早めのご就寝となります。寝不足は顔のむくみにつながります」


 ……わぁ。凄いわ


 それから私はまな板の上の鯉状態で全身磨かれたのだった。マッサージをされた後はふかふかの枕でぐっすりと眠ることができた。


 翌日の朝食は公爵様もいらして緊張の中の食事となった。


「さぁ、お嬢様! 朝の空気はフレッシュですからお庭の散策でもいかがですか?」

 メイド達に現在咲いている花の説明を受けて庭の散策をすることになった。昼からはまた湯浴みとのことで、今のうちに体を動かした方が良いようだ。


「私が案内しますよ」

 エミリオが席を立ち、手を差し出された。何から何までスマートな人だわね。

「はい、よろしくお願いします」


 忙しい公爵様は、今から王宮へと出仕されるそうで、夫人が見送りに行った。

 フォンターナ邸というかここはお城ね。使用人も一流と言った感じがする。きっとみんな貴族の出なんでしょうね。きびきびと優雅になんて凄いわ。


 庭の散策を一時間ほど楽しんだ。広くて全て見る事は無理だった。

 私が興味のある所は実は牛舎だったけど、タイムリミット。

 朝飲んだ牛乳が濃厚で美味しかった。そしてバターをたっぷり効かせたオムレツも濃厚で美味しかったし厚切りの塩漬けベーコンも美味しかった。


 エミリオにそう伝えると、家にいる時は朝晩しか食べないと答えが返ってきた。だから朝からしっかり食事を摂るんだそう。昼は軽くお茶と菓子を口にするくらいだとか。