「え? どこにですか……今から暗くなりますので外出は、」

「ご安心ください。奥様から手紙を預かって来ました。寮母さんはもうじき戻られると言うことですのでこの手紙をお渡しすれば、問題はございません」

 にこりと笑いメイドさん達に言われるがまま、用意された馬車に乗り込んだ。スージーとは別の馬車だった。心配そうに後ろの馬車を見ると


「あちらの馬車には医療に詳しいメイドが同行しております。失礼ですが高熱を出されていますのでお嬢様に移ってしまわれると大変です。お医者様も邸に到着している頃ですから早く見てもらいましょう」

 あの手紙一枚でこんなにお世話になる事になるなんて……!


 結局スージーは、流行病や伝染病などではなく、疲れが溜まって熱が出たんだそう……無理させていたのかしら。と言うと、こちらの国に慣れてきた頃だったので、緊張が途切れてしまったからです。
 ご心配をおかけしました。と涙ながらに謝られた。ついてきてくれただけでも嬉しいのに無理させていたのね……休みの日を作ってあげないとダメね。反省だわ。