「はい、よろしくお願いします」


 それからクラスメイトには、外部にパートナーがいると伝えてお断りした。王子殿下は

『残念だけど仕方がない。ダンスは踊ってくれるよね?』

 と言ってきたので

『はい。舞踏会ですもの』

 と答えておいた。舞踏会は誰と踊っても良いものね!


******

 舞踏会前夜


「スージー! 大丈夫? すごい熱だわ!」

 侍女のスージーが、急に熱を出した! 明日は舞踏会で学園中は準備に追われていて寮母さんも外出中。

「困ったわ……どうしましょう。とりあえずお医者さんにお見せしないと」

 オロオロしていると苦しそうにスージーが言った。

「解熱剤がありますので、それを飲んで様子を見ます。明日のご準備もしなくてはならないのに……申し訳ございません……」

 明日の準備……そうか。舞踏会……スージーが、こんな様子じゃ無理ね。エミリオに手紙を書こう。


【侍女が熱を出してしまい明日の舞踏会は準備もままならないので欠席しようと思います。勝手なことを言って申し訳ございません】


 手紙をすぐに出してもらえるようにお願いして、フォンターナ邸に届けてもらう事にした。良かったわ人がいて……少しチップを弾んだ。


 すると返事が来るかと思いきや、公爵邸からはメイドが二人と護衛が二人やってきてこう言った。

「奥様の言いつけで参上しました。明日のドレスを運びますがよろしいでしょうか? 侍女の方はあちらですか?」

 スージーの寝ている部屋に行き、侯爵家のメイドはスージーをおんぶした。思ったより力があるみたい。


「さぁ、お嬢様、行きましょう!」