「お久しぶりです」
「いらっしゃい! アルベーヌにはたまに会うが、ルーナは美人さんになった!」
「ルーナちゃんいらっしゃい。これからは遊びにきてね!」
パドルさん……いえ、デュポン伯爵夫妻から歓迎を受けた。それにしても大きなお邸ねぇ。あの壺絶対高そう! ついキョロキョロしていたらお兄様に小突かれた。
二人とも何か困ったことがあったらすぐに言ってほしいと言ってくれたし、週末は遊びにおいで。と誘ってもくれた。学園は週末になると外泊オッケーなんですって。ただしどこに泊まるかと申請しなくてはいけない。
お兄様はデュポン伯爵邸の事に詳しいわ。この国に来た時は泊まって行けと言われるから遠慮なく泊まっているんですって。図々しいと言うかお兄様らしいと言うか……
あ、そうだ。エミリオに手紙を書かなくてはいけない事を思い出した。パドルさんに手紙を出したいとの事を伝えるとお安い御用だ。と言ってくれて言葉に甘えた。
国ではもう成人でお店も経営しているけれど、この国に来ると知らない事が多くて甘えてばかりだと思った。
その事をお兄様に伝えると、それでいいと言ってくれた。妙に大人ぶる必要はなく学園では同じ年頃の子達と学ぶのだから周りに甘えればいい。ですって。
この国では十六歳になるとデビュタント、それから相手を探すことも多いらしく学園を卒業する十八歳くらいから結婚する子たちが多いそう。令嬢は大体二十歳くらいまでには相手がいて結婚するんですって。
パドルさんの話は為になった。幼い頃から思うがパドルさんは話上手だと思う。