「お兄様も行くの?」

 今日はフォンターナ卿と会う約束をしていた。なぜかお兄様も一緒に行くようだ。

「ついでだから店まで行くよ。お前はフォンターナ卿に学園の話を聞くと良い。私は事業計画書を読んで、確かめたい事がある。帰りは適当に帰るから気にしなくても良いぞ」

 お兄様はあれから真剣に事業計画書を読んでくれてお店のコンセプト等を更に細かく聞いてきた。そして店のお菓子を全て食べてその感想を纏めたりと、まじめに店を経営してくれるようだ。


 店に着くや否やお兄様はフロアマネージャーと挨拶を交わし、エミリオが既に到着していると聞き挨拶だけする。と言って個室へと入って行く。

 そして挨拶をし、留学先で何か困ったことがあったら相談にのってやってください。などと話をしていた。そんなことを言われたらエミリオもお断り出来ないでしょうに! そしてお兄様は出ていった。


「……申し訳ありません、兄が勝手なことを、」

「あぁ、全く問題ありませんよ。気になさらないで下さい」

 給仕に頼んであったプリンが出てきた。

「! っこれは、あのプリンですね!」


 良かった。喜んでくれたみたい。美味しそうに食べている。学園の話をたくさん聞かせてくれた。楽しくて時間が経つのはあっという間。


「次会う時は我が国でとなりますね。着いたら手紙を下さい。伯爵にもルーナ嬢が留学をするなら力になりたいと連絡してあります。それに鉄道が通ったから、何かあればすぐに戻って来られますよ」


 お父様そんな事言ってなかったわよね! 帰ったら問い詰めなきゃ。だからお兄様も挨拶していたのかしら。

「そうですわね。でも何もないに越した事はありませんわね」


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